トッカエバー
ドラえもんの第8巻” ぼく、マリちゃんだよ”に登場するバトンのような秘密道具。
バトンのようなバーの両端を持った者同士が入れ替わってしまうという恐ろしいツールなのです。
「だめじゃ・・・正常に機能しておらん。」 冷たい研究室には初老の研究主任と助手2人しかいません。 実験はまた上手くいかなかった・・・もう何度目でしょうか。 ここは東京都○○市の片隅にある研究所です。 僕、吉岡孝之は助手としてもう3年ここで汗を流しています。 そんな日々に変化が起きたのは数週間前・・・・その変化は実験台になった真木に起こりました。 今、目の前にいる真木はむさ苦しい小太りの男ではありません。 人体の入れ替わり・・・ これは数年前研究主任が開発した発明品に端を発しています。 そのマネキンのようなモノに希望の服を着せておく、ボタンを押すだけで一瞬でその服に着替えることが出来る、そういう発明でした。 そして研究主任はその技術を元に人体の入れ替わりの研究に着手するのです。 身体が入れ替わる、世界を驚かせる一大発明になるプロジェクトです。 研究主任も僕も必死で彼を元に戻すため昼夜を忘れ研究を続けます。 しかも徐々に変化が・・・歪んだ変化が起きて来るのです。 当初女性に成ってしまった真木も戻ることを切願していました、当然です。 初めはこれまで通りの男性の服装を突き通していたのにある日ミニスカにパンスト、そして豊かな胸の谷間を強調した白のブラウスで出勤してきたです・・・。 「真木!?どうしたんだ、その格好。」 真木の変化は研究所の雰囲気を一変させます。 そんなことはお構いなしに彼は吹っ切れたように極上ボディの自分自身を楽しみ、謳歌し始めるのです。 服装は・・・日々派手になっていきます。 「吉岡、お前も女性になったみたらどうだ??楽しいぜ~男が馬鹿に見えて。あいつらコトあるごとに俺をいやらしい目で見ててな。」 本当は男と分かっていても僕は勃起を抑えられません・・・ 事故とはいえ美しく淫靡な女体になった自分を味わう真木、研究主任にはもう男に戻りたくないと色仕掛けで直訴するまでに女体に執着するようになってきています。 僕はその話を聞き夜はそれを想いつい自慰行為にいそしんでしまいます。 真木のパンチラ、胸の谷間、男を狂わさんばかりのボディライン・・・彼はだれもが羨む女体を手に入れ僕はそれに振り回されるように日々勃起したアレを握り締める。 そして僕はっきり認識していくのです・・・・・。 僕は何時しか真木と同じ境遇を望むようになっていたのです・・・。 数ヵ月後、ある道具が完成します。 ”トッカエバー” 真木の件もあり動物実験を何度も繰り返し、安全性が確認されました。 ただその時期は真木の意志に任せるということで話はついていました。 「真木、お前いつ元の身体に戻るつもりだ??トッカエバーにお前のバックアップデータを接続してアッという間だぞ。」 真木はこの数ヶ月ですっかり女言葉が板に付いています・・・シビれるような色っぽい声がルージュが引かれた色香漂う唇から漏れています。 「それに吉岡も私がこのままの方がイイんじゃない??」 僕はその身体への性的興奮と同時に自分もその女体をマトってみたい欲望に突き動かされていました。 「フフフ、真木この身体に成ってみる??」「えっ?!」 研究室の別棟に物置のような場所があります。 目の前には真木の突き出した”トッカエバー”が佇んでいます・・・もちろんバーの反対側は真木のしなやかな指が握っています。 「さぁ・・・研究者としての経験して必要よ。どんな感じで入れ替わるのか。ちょっとの間だけこの身体になって体感してみなさいよ。」 自分の湧き出るような欲望を隠すように僕はノーマルで普通の男性を演じる・・・でも成りたい、こんなチャンス二度とないかもしれない。 「じゃぁどうしてさっきから勃起してるのよ?あなたも成ってみたいんでしょ??私も最初の数日はエッチな女の子に成れた喜びを隠してたの、なんだか変態に見られるのイヤじゃない??」 「さぁ私も久しぶりに勃起する感覚を味わってみようかしらね・・・。」 視界が反転する・・・僕は意識を失った。 「吉岡、吉岡。」 「どう?女の子になった感じは??自分の身体見てみなさいよ。」 しかしその言葉に促されて見下ろした身体は僕をとろけさせます・・・すごい。 ピッタリ股間をおおうパンティーのクロッチがみるみる湿り気を帯びてきます。 「あぁっ。」 「女の子ってこんな不安定な靴で歩いてるのか・・・それになんだかスカートにパンストにヒールってなんだか下半身がスースーするな・・。」 寄りかかったさっきまでの自分がまるで巨人のようです、そして壁にある姿見は僕と真木が入れ替わったことを写し出しています。 「うわっ、男に戻ると途端に男性の感覚になるのね・・・こ、これ。」 僕は自分のアソコがジュワジュワしているのを棚に上げて真木の性的興奮を指摘します。 「どうなの女の子に成って??しかも自分の夜のオカズに自分自身がなったんでしょ、どうなの??」 「久しぶり、こんな強烈な性欲って!ねぇ吉岡。」 「し、喋ってくれよ、女の子の言葉で。」 色っぽいセリフを女の子自身として言っています・・・僕の股間は益々ジュワジュワ濡れていくのです。 「か、吉岡!!も、もう!!」 「あぁな、なにするの?!」 「お前毎日こんな性欲で俺を見てたのか!!こんないかがわしい気持ちで!!」 真木が僕を押し倒しお尻にあるタイトスカートのファスナーに手をかけます、あぁ・・脱がされていくぅ。 「待ってろよ。」真木がおもむろに傍らの壁にあるシートを取り去ります。 そこにはドームに包まれた首から下だけのマネキンのようなモノが佇んでいます。 「何考えてるの!?」 「あぁぁ・・。」 女性になって数分で男性に襲われ挙げ句の果てにエッチな格好を無理強いさせられる。 「な、なにするの!?こんな格好させて!!」僕は嫌がるように体裁を取りつつも自分自身とその境遇に酔いしれるばかりでした。 僕は真木に、元の自分に襲われていきます。 た、たまらない・・・・。 揉みしだかれる胸のふくらみからは未知の快感がこれでもかというほどなだれ込んできます。 いつしか真木はブリーフを脱ぎ去りそそり立つアレを僕の股間に擦りつけてきます。 ハイレグの股間部分を横にずらし挿入を開始する真木。 「どうだ?吉岡、気持ちいいかぁ。どうだたまらないだろ??奥まで入れて欲しいか、ええ??」 「おい!見てみろよ!」 「成りたかったんだろ!!女の身体に!さぁ言えよ。」 「目の前の鏡にはお前の願望が写ってるんだ、どうだ先を見たいだろ??」 もう駄目・・。 「ああっ!!そう!そうよ。私は成りたかった、女の子に!!イヤラシい女の子の身体に!!」 鏡の中の僕は願望を果たした最高の表情を浮かべてました。 そして今にもヨダレを垂らさんばかりの恍惚とした表情で腰を前後する真木! 鏡の前で生まれ変わった自分の乱れっぷりを堪能する・・・気絶しそうです・・。 その後数日、僕たちは誰にも告げず入替ったまま生活しました、僕の希望で。 当初真木の変化に端を発した歪んだ闇、今は僕をも完全に巻き込んでしまいました・・・いや巻き込まれたかったのです。 この身体のままでいたい・・・僕はある日、夜に紛れて研究所を逃げ出しました。 僕同様、女体の魔力に取り付かれ、もしかしたら彼が火をつけたのかもしれません・・・・。 そして僕のしなやかな手には使用されるのを待っているかのように”トッカエバー”がたたずんでいるのです。 -END- |
あとがき
姉と弟が入れ替わっていくコメディー色の強い作品の短編、そういうことでスタートしたこの作品は結局こんな形になりました・・。
いろいろな要素が以前掲載した作品”トッカエバー”に当てはめるといい具合になり”外伝”として完成となったわけです。
”短編にしたい!!”という思いが今回強くありました。
とにかく最近描くモノは長い! 長すぎて作業量がハンパないのです。
作業量が多い→完成しにくい→更新しにくい、という悪循環をなんとかしたかったんです・・今回も割と長いですけど。
極端に言うと初期作品のように”数行の文章に一枚のイラスト”これくらいに立ち戻っていのいいのではなんて思ったりもしています~
そしてもっと多く作品を掲載していければイイナ~と思ってる今日この頃なのです(^o^)
では、また。
妹いんすとーる
漫画挿絵付きの小説です。
文章7ページ、漫画挿絵7ページ、合計14ページのPDFです。
妹モノのDVDを友人の部屋で視聴しようとしていたところ、何故かそのDVDのパッケージに写っていた少女の姿に変身してしまった主人公は……というTSF(Trans sexual Fiction: 性転換)もののお話です。
トッカエバーの外伝ですね、今回も面白かったです
ちょっとした疑問なのですが真木は実在する人と入れ替わったんですかね?サンプルデータってのがよくわからなて、てすみません、
クリッターさんコメントありがとうございます。
ごめんなさい分かりづらかったですね。
実在の人物ではないです~実験用の女性データのようなものと入れ替わった感じです。
大変失礼しましたm(_ _)m