「はぁい、ちょっと待って。」茜が玄関に向かう。
誰だ?・・・
人差し指を口の前に立てながら、茜が玄関から手招きする。
さらにドアの覗き穴を指差す。
その穴を覗いて・・・僕は青ざめた。
外にはにこやかな表情の亜衣子が立っていた・・・
僕はさらに複雑で面倒な状態になったことを理解した・・・・
これじゃ部屋に僕と茜、2人でいるようにしか見えないだろう。
「亜衣子、ちょっと待って今、手が離せなくて。」僕を見下すような表情で茜が間を持たす。
「どうするの?亜衣子ちゃん、浮気してると思うでしょうね~ショックだろうなぁ~」
「クソッ・・・」
「フフッとりあえずベランダにでも逃げたら?」
・・・・。
僕は足元にあったヒールを手に取りバックとコートを抱えベランダに飛び出した。
茜に僕達二人の関係を壊させるもんか・・・・。
プルプル揺れる胸に違和感を感じつつ、素早く室内から見えない位置に立つ。
「はぁはぁ・・・なんでこんなことに。」
荒い息にシンクロするようにプルプル胸が上下する。
あまりに慌ただしく起こり続ける問題に頭の中が混乱している。
しかし今、気になるのは中の様子だ・・・僕は必死で聞き耳を立てた。
「どうしたの賢一クン、急に呼び出しておいてなかなか開けてくれないなんて。」
「ごめん亜衣子。」
「あぁん、こら。」
覗き込んだ室内では茜が亜衣子に抱きついている・・・・
幸い亜衣子は窓を背にしている、逆に茜は当然こちら側を見ていた。
そして僕と目を合わせ悪魔のような笑みを浮かべる・・・
「あぁ、亜衣子、会いたかった。急に会いたくなったんだよ・・ほんとに可愛い。」
愛でるように何度も抱き寄せる。
「あはっ、なんか変だよ賢一クン、なんか今日は情熱的・・・。」
そして茜はこちらにアピールするように、スウェットのパンツを突き破りそうに勃起した股間を見せつける。
こいつ亜衣子と・・・セックスする気だ。
さらにキスし熱烈に 舌まで絡め始める。
「亜衣子・・ずっとこうしたかった。ずっと・・・」
茜・・まさかこいつ、亜衣子が好きだったのか?
「ヘンな賢一クン・・・したいんだったら、もちろんいいんだよ。亜衣子を・・・すきにして。」
「はぁ、たまんない!」
僕を見つめながら、亜衣子とのセックスに突入していく茜。
室内では数時間前まで想像すらしていなかった状況が繰り広げられている。
「あぁ、大好き、亜衣子・・・。」
間違いない、茜は亜衣子が好きなんだ、そこで僕に目をつけた。
「あぁん、賢一クンぉ。今日はいきなりなのね。ほゎん。」2人がベッドに倒れ込んだ。
つまり、こういうことなんだ・・・茜は隙きを見て身体を入れ替える、僕になって亜衣子をモノにする・・・
同時にこのボディを僕に押し付ける。
「はぁ、亜衣子のオッパイ。きれい・・・我慢できないぃ!」
プリンと弾む亜衣子の胸が飛び出したかと思うと歓喜してムシャブリついていく。
茜の恍惚の表情・・・・狂喜して舌で乳首を転がしている。
着々と高まっていく亜衣子の声。
茜は再び僕を見る、勝者は自分と言わんばかりに・・・。
部屋では禁断の、茹だるようなセックスが展開している。
それとは逆にここは真冬のベランダ、しかも5階だ・・・強い北風に吹かれている。
「あぁっ!?」
渦を巻いた風が勢いよくスカートを捲りパンティを露わにする・・
「く、くそっ。」必死にスカートを抑えることしかできない自分が情けなかった。
僕・・・なにやってんだ。
茜に押し付けられた身体には薄手のニットとミニのスカート・・・それがとてつもなく寒い。
音を立てないようにヒールを履きコートを羽織る・・・しかし頼りのコートはショート丈で身に付けてもミニスカより短い。
「おおぉん、イイ。賢一クン どうしたの、今日はなんか違う。なんか素敵よ!!」
「フフフ、亜衣子こそ今日はホントにかわいいよ・・・。」
聞きたくない二人のやり取りが聞こえてくる。
耳をふさぎながら、ふとバックからはみ出したモノに目を留めた。
僕は必死にそれを取り出す・・・まだ開封してない黒のパンティストッキング。
今のままじゃ凍えてしまう。こんなものでも無いよりは良いはず・・・
パッケージには脚線美を誇るように見せつける艶めかしい写真・・・しかし自分がこれに変身するのかと思うとため息しか出ない。
確かにレースクイーン、特に茜を見て夜のおかずにしたことも一回や二回ではない。
でも自分がそれになってこんな追い詰められた状況になるなんて・・・
僕はパッケージの封を切り半透明の膜のようなパンストを取り出し脚に装着していく。
脚に感じるスベスベした未知の感覚、そしてみるみる生足が黒のフェチ心を狂わす脚に変貌していく。
「は、はぁ・・・。」
パンストの装着が終わった時、僕はどこかしら上気していた。
黒パンストに包まれた脚は男を狂わせる艶めかしさだ・・・
戸惑いながらスラリとした手と指でなで回す。
「・・・。」
サラサラした感触とプニプニした柔らかな感触が同居した手触り、思わずため息をついた。
いくらパンストを装着してもこの寒さでは焼け石に水だ・・・・しかし僕は顔を紅潮させていた。
「はぁん、だめぇ・・・うぉん、なんか賢一クンじゃないみたい・・・。」
「何言ってんの、そんなにイイかい?」
結露したガラスの向こうで汗だくの2人が激しく交わっていた。
「あぁん、入ってくるぅ!」
グチュグチュとした淫靡な音も聞こえてくるようだ。
あぁ・・・茜、なんてことを。
つづく・・・
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