「買い物に出かけるわ、もちろんあなたもね。」
世里香は強引に俺を連れ出す。
彼女はいつも運転手付きの車だ。しかし今日は電車と徒歩・・・
明らかに俺への嫌がらせだ。
俺が周囲の視線に戸惑う様を見て楽しんでいる・・・・いや、間違いなく興奮している。
こいつ・・・・変態だ。
世里香のワンピースに身を包み、俺はスースー感と格闘しながら連れ回されていた。
しかも買い物は彼女のものではなく全て俺のもの。
あらゆる店で試着させられ、俺は女の子のショッピングを強制体験させられていた。
家に着いた時には日が傾き、外は薄暗くなっていた。
世里香は喜々として俺に購入した服を着せ、よだれを垂らさんばかりに喜んでいた。
ヒラヒラしたブラウスにタイトミニ・・・比較的シンプルな組み合わせだが、男心をそそるシルエットを見事に浮き上がらせている。
「こんな服・・・もう脱いでもいいかな。」
「・・・・・。」なにも答えず引き出しからネックレスとピアスを俺に着けニヤリと微笑む。
「ぬ、脱いでいいかしら・・。」
世里香は意外な返事をした。
「服はそのまま。でも貞操帯は取ってあげる・・・このパンティ履いて。」
世里香は俺の傍らにしゃがみ込みスカートをめくって股間の南京錠を外した・・・一体どういうつもりなんだ・・・。
「今から出かけるわ、行きましょう。」
「えっ!?また?どこへ出かけるの??」
彼女は何も答えずメイドに遅くなることを告げた。
そして再び俺を連れ出す、夜の街に。
購入したてのヒールを履くことを強制され、なれない足取りで必死に付いて行く。
さっそうとヒールを打ち鳴らし歩く女性たち・・・俺が普段舐め回すように見て、時には勃起までしていたエロいシルエットがまさかこんなに大変だなんて。
通りかかったのマンションのガラス扉に脚をヒョコヒョコさせた俺が写っている。
「なにその歩き方。なんでそんなに脚を曲げて歩くのよ。」
「だっ、だってこんなの初めて履いたんだもん・・・。」
「しょうがないわね、教えてあげるわ。比較的人もまばらだから、駅まで練習なさい。まず背筋をしっかり伸ばして!グズはみっともないわ。」
・・・何で俺がこんなこと。
昨日まで男でスニーカーで走り回っていたのに。
「あぁっ!?」
上手く歩けず、ヒールが脱げて転びそうになる。
慌てて靴を手に取り脚に装着する、しかしその時、靴底の22.5の文字が目に入った・・・・22.5!?
お、俺27cmだったのに。
「どうしたの?まさかサイズを見てショックだった?小さくて可愛いでしょ、女の子の靴って。さぁ立って!」
世里香のせせら笑いが聞こえるようだ。
「いい?脚を曲げるのは脚を前に踏み出す時だけ、あとは膝は伸ばしたまま!それから下を見ない!美しくないわ。」
駅に近づきながら女の子の歩き方を刷り込まれていく。
「足を上げる時、つま先を上げない!脚が着地するときはつま先から!!何度言えば分かるの!!」
「・・・わ、分かった・・ハァハァ。」
駅が見えてきた。
「少しはマシになってきたかしらね。」
「・・・。」
俺は疲れとともに、女体の中で新たな感覚に囚われていた。
頬に触れるいい香りのする髪、歩く度にプリプリと揺れる胸・・そしてコツコツと響くヒールの官能的な音と締め付けられるような感覚。
・・・はぁはぁ、なんか変に上気している。どうしたんだ。
その時、駅前のタワーマンションのエントランスに写った自分に目を奪われた。
さっきとは違いヒールを履きこなした女子がフェロモンを漂わせて歩いていた・・・・スカートからスラリと伸びた脚。
俺は頬を赤らめ、自らの姿に欲情していた。
その様子を目ざとく見つけた世里香。
「なかなか素敵よ。」
不意に彼女が俺のスカートに手を突っ込む。
「ああっ!?」
「パンティ濡れてるでしょ?女の子らしく歩く自分にハァハァするなんて。変態!」
俺のクロッチをグリグリ弄ぶ世里香。
俺は駅前で漏れそうになる声を必死でこらえた。
「こんなに濡らして・・・いつまで発情しているの。」
「・・・。」
電車内で世里香と俺に男たちの視線が集中する、まるで突き刺さる感じだ。
女子というだけでこれだけ男は見ているのか・・・。
無理もない。
俺が逆に立場だったらこんないい女、目が離せなかっただろう。
俺もそうだった・・・昨日まで。
「あの・・・世里香・・・。」
「今から合コンに行くわ。」
「合コン!?」
「そう、忠くんが主催のね・・・。」
「忠が主催?それってまさか??」
・・・それって俺が主催していたヤリコンじゃないのか!?それに参加するのか??
「あなたがいなくなってもちゃんと続いてるのね、例の合コン。それにあなたが女の子として参加する・・・・面白いでしょ。」
昨日より更に豊かになった胸は服を大きく突き上げている。
おいしそうな曲線は男を狂わせるのに充分だろう・・・。
「自分がしてきたことを今度は自分がされるの。合コンと称して女の子を誘い込みセックスに持ち込む・・・フフフ、もちろん逃げてもいいわよ。」
「・・・・。」
「ただ、あなたは一生黒田達也に戻れないけれど。」
俺は・・・自分の身体を見下ろして唇を噛みしめるしかなかった・・・。
ターミナル駅を通り過ぎると立っている人もまばらになってきた、席もいくつか開いている。
「せ、世里香。座ってもいい?」
「そうね。」
さすがに慣れないヒールに疲れていた。
世里香と並んで腰掛ける。
正面の中高年サラリーマン達のつばを飲む音がした気がした。
・・・そうだろう。
履いていないような感覚の超ミニスカートは太股を付け根まで露わにしている・・・しかも座ると更に短くなってしまうのだ。
初めて膝をギュと付けて座る。
男たちの目が明らかに変だ・・・俺と世里香、犯罪的に可愛い女子二人は彼らの視線を釘付けにしている。
慌てて世里香と同じようにひざ上にバックを置く。
パンティが正面の男たちに見えないようにするガードだ。
それを見て正面の男の1人が舌打ちするような仕草まで見せる・・・はぁ・・・なんだって俺がこんな思いしなくちゃならないだ。
しかし俺が女子たちをこんな風に、商品のように見ていたのも確か・・・複雑な思いだ。
すると突然、世里香が俺に耳打ちしてきた。
「どうしたの?バックを膝の上になんか置いて。」周囲に聞こえないように囁く。
「だって・・・」
「だって??」
「パンティ、前のサラリーマンに見えちゃうから・・・。」
はぁ、俺はなにを言ってるんだ・・・。
「あっ可愛い!そんなバック持ってたっけ?ちょっと見せて。」
俺の膝からバックを取り上げる世里香!
「あぁっ!?」
膝をピッチリ付けているとはいえ超スカートだ。
バックを失うと正面の男たちに逆三角形の隙間が開放される。
「あぁっ、ち、ちょっと・・・。」
男たちの表情が変わる!
軽く上気しその中の1人はあからさまに見入っている、俺のパンティを・・・
不自然にならないようにデルタ地帯に手を添える。
「世里香、バック返して!」小声で懇願する。
「やだぁ、これ私が欲しいって言ってたバックじゃない?いつ買ったの?」
「世里香・・・お願い。」
世里香が不意に俺の耳元に囁く。
「手、どけなさいよ。」
「そ、そんな正面の男たち・・・私のパンティを。」
「手、どけなさいよ・・・・」
冷淡な世里香の目がじっとこちらを見つめている。
「手、ど・け・な・さ・い」
あぁ・・・もう。
俺のデルタ地帯から静かに手が退いていく・・・
正面の男たちの表情がさらに変わる。
刺さるような目つき。
俺のパンティを目指して視線を投げかけてくる・・・それを見て俺は恥ずかしさで顔を上げることが出来ない。
「はぁ・・・いい。あなたのパンティを見てオスども、発情しまくってるわぁ。」
「や、やめて。そんなこと言わないで。」
なんだ!?・・・またさっきの変な気分が胸のうちからこみ上げてくる。
「ねぇ、脚を少し開いて。」
「それは許して!」
「開いて。」世里香は俺に顔を近づけ再度囁いた。
「脚を少し開いて・・・男を発情させてみて。」
脚を ・・・・開く・・・
「は、はぁ・・・も、もう知らない。」
スッと脚を少しだけ開く・・・。
パンティが・・・パンティが間違いなく男たちに見えてる。
レースの柄も見えちゃってる・・・。
「顔をあげなさいよ・・・。」
俺は唇を噛みながら正面を見た。
あぁ・・・嫌だ 。
男たちの中には股間がこんもり膨らみピクピクしてる奴までいる。
それを目にした途端、俺の下半身にさっきの変な気分が広がっていく!
おぉん・・・ぬ、濡れる・・・な、なんで?い、いやだぁ!!
俺は股間のジュワジュワする感覚に頬を赤らめる。
「はぁ・・はぁ・・。」
「どう?あなたを見てあそこ勃起させてるオスを見るのは。」
「も、もう、いいでしょ、はぁはぁ。」
「なに息荒くしてるのよ・・・・駅についたら新しいパンティ買ってあげる。必要でしょ?」
「・・・・。」
世里香は舌なめずりをしつつ俺に言い放った。
「この変態。」
つづく・・・
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